指皮とクライミングの関係性 ー摩擦力で保持感をアップする!ー
チョークの種類や爪などを気にすることはあっても指の皮にはケアを日常的に行っている人は意外と少ないのではないでしょうか?
そんなクライミング歴を重ねるごとに問題となってきやすい指皮について簡単にまとめていきたいと思います。
[目次]
・角質層の構成
・指皮とクライミングの関係についての考察
・ケアについて
指皮の構成
大まかに指の皮は表皮と真皮で構成されており、主に関係するのは角質層です。
角質層が削れるとヒリヒリした痛みを感じやすくなります。
角質層は外部からのストレスから厚みを増すことが特徴であり、この厚みがクライミングに良い影響(クライミングの持続力アップ)や悪い影響(硬くなりすぎる)を及ぼします。
指皮とクライミングの関係性
角質層が厚くなり、クライミングを継続していると一部分だけ削れたりして厚みに不均等が生じます。この状態を続けることで指皮のコンディショニングが悪くなり保持感の低下につながると思っています。
指の柔らかさと摩擦力の関係
指先の力発揮に伴う皮膚接触面積の変化から引用
一般的に指先に力がかかると接触面積が増える。つまり横と縦の広がりが増すということです。この図は30代の皮膚の図表を引用させていただきました。
接触面積が増えるということはされだけ摩擦力が増え、保持感に大きく関係すると思います。
mm単位ですが指皮が硬くなりすぎたり胼胝(タコ)ができると接触面積も広がりにくいのではないでしょうか。
また皮の不均等になることで力が均一に皮が広がりづらくなることも想像できると思います。クライミング影響しそうですね。
その結果としてホールドを弾くことになるのではと思います。
角質の水分量の関係
年齢とともに角質層の水分量は減少します。そのような角質層に潤いが無さ過ぎる、いわゆる乾き手も摩擦係数が下がります。
そのような人はローションなどで潤いを与えて数時間後には摩擦係数が上昇すると言われていますので日頃からハンドクリームなどで整えておくと良いでしょう。
爪と摩擦力の関係性
みなさんは爪は気にされていますか?
私は爪を切りすぎたり切った直後に登るといつもと違う感触に違和感を覚えることがあるので、登る直前には爪を切らないことや深爪に気をつけたりしていますが根拠がありませんでした。
人間の手指の摩擦特性の解析から引用
個人的にはかなり面白いな〜と思ったことです。
爪がある状態とない状態では摩擦係数が大きくことなり、特に高い力が加わったときには爪の有無が大きく影響するとのことです。爪は指の剛性に大きく関わっているようです。
でも爪がない人間なんてほとんどいないので参考程度ではありますが、深爪や切った直後の違和感はここら辺が関係しているのかと思うと面白い話でした。
指皮のケアについて
最後に指皮については多くのところで紹介されていますが私の意見を簡単に書いていきます。
紙やすりで削るのは良くないのか?
これは良い皮膚まで削れてしまうとの意見が多い印象です。概ね賛成なのですが、指の関節部分や側腹部にできてしまった分厚い角質などは削ってしまった方が手っ取り早く効果を実感できます。皮膚の再生は比較的早く、手術などで切っても2週間ほどでくっつくので削っても1週間ほどで再生できると思います。
ただし、指がヒリヒリするなど痛みを感じるまで削るのはやりすぎなのでNGです。
登らない日も習慣付けて行うことが望ましいと思っています。
ケア方法
私は基本的にヤスリで削ったあとはグリセリンカリ液で整えて、ハンドクリームで保湿します。
具体的には
グリセリンカリ液を手に万遍なくつける→乾いたら水で流してハンドクリームで保湿します。特に尿素が含まれているものを使う場合が多いです。
お風呂後は化粧水も最近は手につけています。
まとめ
指皮と摩擦についての研究とクライミングを関連付けて書いてみました。
大事なことは
・指皮の柔らかさを保つ、
・均等に指皮と整える(ザラザラしない)
・保湿を意識する
・爪の長さも考えてみる
・登らない時もケアを怠らない
もちろん、皮膚が弱い人、丈夫な人など個人差がありますのでここの判断でケアをすることも大事だと思います。
ご拝読いただきありがとうございました。応援していただけると嬉しいです。