パキるとどうなる? ー原因と対処方法ー
久しぶりの更新です。
実は、初めてパキるという怪我に見舞われておりました。
本当に「パキっ」って聞こえたことになぜか感心してました笑
そこで、今回は「パキる」について勉強したことを簡単に書いていきます。少し長いですがお付き合い下さい。
「パキる」って何??
受傷時に耳に「パキっ」聞こえることからパキると言われているようです
このプーリーと呼ばれる筒状の腱鞘が断裂・部分断裂することでパキっと音がなります。
ちなみに外国人は「POP」と聞こえるそうです笑
どんな時に損傷するのか?
多くの場合は薄いカチやポケットを持った時に受傷しやすいです
受傷した時は音とともにすっぽ抜けて落ちることが多いようです。
私も受傷した時は両手のカチを持ってダイナミックに飛び出すムーブでした。
どこの指のどこが断裂しやすいのか?
一番怪我を起こしやすい指は薬指 が多いといわれています。
腱鞘はA1~A5までありますが、A2が最も多く損傷することが多いです
下のような感じで部分断裂や完全断裂する場合が多いです。
症状は?
症状は痛み・圧痛・腫脹です。靭帯損傷と同じなので炎症が起こります。
怪我をした指を曲げて、もう片方の指で伸ばした時に痛みが強くなれば確定的と考えてよいと思います。
屈筋腱が切れているわけではないので指は動きます(痛みで曲がりにくいですが)
受傷直後の対処方法は?
受傷した場合は、すぐにクライミングを中止し、アイシングをしっかりと行います。
(疑わしい場合でも中止する勇気を持ちましょう!)
肘までしっかりとアイシングを20分以上行うのがベストですが、外岩の場合はコールドスプレーなどで一時的に凌ぎましょう。
次にテーピングで固定します。炎症がすぐに始まりますので不用意に使わないように
します。バディテーピングがオススメです。
指が動かなければ、キツく巻く必要はありません。あまりキツいと逆に血流が悪くなるので注意です。
バディテープ↓(普通のテーピングで大丈夫です)
痛みが強い場合や、腫れが引かない場合は迷わず整形外科へ行ってください。
腱鞘はレントゲンには映らないので超音波エコー検査などで診断されることが多いですが、エコーがない病院も多いです。
安静期間は ?
損傷の程度にもよりますが、部分断裂でもクライミングできるまでには45日間は必要であると報告があります。完治までには少なくとも2〜3ヶ月はかかるようです。
完全断裂で手術が必要な人だと1年以上はリハビリが必要となるようです。
多くの方は安静期間を守れずに登ってしまう人が多いと思います。私も登ってしまいました。
しかし、本当に早く治したい方ほど我慢して安静の期間を作りましょう!!
それも必要なクライミングのスキルです。
セルフメディケーション(治療)
(1)受傷後3〜4日間は熱を持っていたらアイシングをしっかり行いましょう
熱を持っていたら肘まで氷水に何回でも15〜20分程度浸します。
数日はできればテーピングをして安静を保ちましょう。
また1週間程度はロキソニンテープ、ボルタレンテープなどの鎮痛薬(NSAIDs)を併用してもよいです。
(2)熱が引けば次は温めます。1日に10〜15分ほど、できれば1日3回ほど行い、血流をよくします。この時ぐらいから軽い指の曲げ伸ばしやストレッチを行いましょう。
2週間ほどで痛みは引いてきます。ここで「そろそろ少し登ろうかな」と思いがちですが我慢してください。
4週間目までは温める作業とストレッチを続けます。
その後、クライミングに少しずつ移行しますが、必ずテーピングは行うことと、オーバーハングは行わない。
スラブの8〜6級からゆっくりと行いましょう。
※安静期間は45日ほどを目安に行い、完治までには100日、またはそれ以上かかると言われています。焦っても治らないので開き直りましょう。
番外編
私は喫煙者ではありませんが、喫煙している人は禁煙をお勧めします。タバコは靭帯と腱の回復を遅くさせると言われています。
ホットパック
テーピングの方法
怪我の予防
クライミング出来ないのはかなりのストレスです。
しかし、もう同じ怪我をしたくないですよね?
なぜ怪我をしたのか?というところを考えないといけません。
多くの場合は足が使えていない(すぐ切れる)、体幹筋力不足、肩の柔軟性不足、そもそも課題が難しすぎた(実力と合っていない)などさまざまです。
クライミングできない期間に自分と向き合い足りないところを強化しておきましょう!
ストレス解消にも効果的です。
千葉トレーナーの言葉
「体(上半身・体幹・下半身の連動)が上手く使えてないから、弱い部分が怪我をする」
セミナーに参加した時に言われました。体を作り直すよいきっかけとなりました。
私が行ったものを上げていきます。
1、ランニング:体重を維持、または減らす目的。
2、ヨガ・ストレッチ:全身のバランスを整えて、柔軟性も改善。体幹も鍛えられます。
3、千葉トレ:運良く、講習会に参加できたため行っています。最近は雑誌などでも
紹介されています。内容は肩の強化、体幹筋トレが中心です。
4、テーピング:上記でも書きましたが、痛みが引いても指のテーピングは続けましょ
う。キツく巻き過ぎず、数時間で一度取って血液を循環させることも
忘れずに
ヨガ参考動画
千葉トレが少し載っています。楢崎選手が表紙を飾ったCLIMBERSにも載っていましたね。
まとめ
一度パキるとなかなかすぐには治りませんが、軽い損傷であれば安静にすることで必ず治ります。
痛いままクライミングを続けてズルズルと怪我を長引かせることはクライミング人生を短くさせてしまいます。
ここは自分のクライミングを見直す機会と捉えて体をイチから鍛え直しましょう!